なーはもし、大切な人が先に逝ってしまったら、
「悲しい」「寂しい」と言う想いと同時に
「うらやましい」「逝けてよかったね」
と言う想いを抱くに違いない。
ただ祈る。
その人がブループリント<設計図>通りに修行を完了したことを。
枷が取り払われ、自由になることを。
ただ、安らかな気持ちでいられることを。
なーはずっと、自分の世界が終わる日を待っている。
自殺はしない。
自分から死に易い方向に行くこともしない。
変態さんに辱められて死んでしまうのはごめんだし。
前みたいに事故にあったりしても死に損ねて、
もっと重い枷を背負うのもごめんだし。
なーが、前の事故で奇跡的に身体障害者にならなかったのは。
なーはその枷を抱えて進むことは出来なかったから。
重さに耐えかねて潰れてしまうことが分かっていたから。
だから周りはなーにその枷を与えなかった。
ただそれだけのこと。
自分が死んでも誰も悲しんでほしくない。
自分はやっと解放されるのだから。
でもきっと、親も、友達も、恋人も、
悲しんでしまうのだろうなぁ。と思う。
だからなーはただ漫然と生きる。
自分が運命た終わりを待って。
自分が死んだら悲しむ人が先に逝ってしまうのを待って。
なーは何にしがみついているのだろう。
何に苦しんでいるのだろう。
こんなにも幸せなのに。
こんなにも恵まれているのに。
ただ生きていると言うことはどうしてこんなにも苦しいのだろう。